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A book about how to create new typefaces using FontForge

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用語集 Glossary

★印 日本語版での追加・追記項目

《※訳注: Korea の訳語は煩雑さを防ぐために「韓国」としていますが、北朝鮮のエリアも含みます。》

A

Abjad アブジャド

アブジャドとは、セム語族の言語(ヘブライ語、アラビア語、など)で用いられている書紀体系の型を示す専門用語で、すべての子音を示すグリフ(字体)はありますが、読み手は二つの子音の間にどの母音を使用するかを推察しなければなりません。

ヘブライ語にもアラビア語にも、随意的な母音記号があり、これらの言語は「純粋ではない」アブジャドと呼ばれています。古代フェニキア語は子音字しかなく、「純粋な」アブジャドです。

▶ 関連事項: 「アルファベット(alphabet)」「アブギダ(abugida)」「音節文字(syllabary)」および「関連するウィキペディア記事」(日本語記事はこちら)も参照のこと。

Abugida アブギダ

アブギダとはアルファベットと音節文字(syllabary)との中間に位置する文字体系のことで、インド文字の筆記法は、おそらく、最もよく知られたアブギダです。

ほとんどのアブギダには、子音に独立したグリフ(字体)があり、各子音には暗黙的に予め決まった母音が続きます。それ以外の母音はすべて、基本となる子音に対する「発音区別符号(diacritics)」もしくはその変形符号で示されます。

アブギダは「音節文字(Syllabary)」とは異なり、特定の子音で始まる音節を表す象徴には共通の特徴(すなわち、その子音の「字形」)があります。一方、音節文字では、二つの音節が共通の子音で始まる場合でも、各音節は区別されます。

アブギダは、また、アブジャドとも異なり、(予め決まっていない)母音はアブギダでは符号を付けなければなりません。

▶ 関連事項: 「アルファベット(alphabet)」「アブジャド(abjad)」「音節文字(syllabary)」および「関連するウィキペディア記事」(日本語記事はこちら)も参照のこと。

Accent アクセント記号

発音区別符号(diacritics)」を参照のこと。

Advance Width 送り幅

グリフの開始位置から次のグリフの開始位置までの距離。「グリフの幅」と呼ばれることもあります。

▶ 関連事項: 「縦書き用の送り幅(Vertical Advanced Width)」も参照のこと。

Alphabet アルファベット

子音と母音とを同様に含むすべての音素のグリフがある書記体系で、(ともかく理論上は)単語のすべての音素が適切なグリフによって記されます。

▶ 関連事項: 「アブジャド(abjad)」「アブギダ(abugida)」「音節文字(syllabary)」および「関連するウィキペディア記事」(日本語記事はこちら)も参照のこと。

Anchor Class アンカークラス

〔アンカーはグリフでのアクセント記号/発音区別符号の位置を示す情報で〕OpenType フォントの GPOS テーブルにおける mark-to-base〔基準に対する位置〕や cursive subtable〔筆記体テーブル〕を指定するのに用いられます。

★ 関連事項: 別資料『overview』の「アンカーポイントとアンカークラス」も参照のこと。

Anusvara アヌスヴァーラ

インドの伝統的な音声学の用語で、後続の子音と同器官的な鼻音、またはそのような鼻音を表す記号のこと。《出典

★ API 

Application Programming Interface の略。ソフトウェア(アプリケーション・プログラム)同士が情報をやり取りするためのインターフェース仕様。

Apple Advanced Typography アップル社高度組版機能(AAT)

TrueType フォントに対する Apple 社の機能拡張版フォント。グリフ置換情報、合字(リガチャ)、カーニング機能などを含んでいます。「可変フォント(distortable fonts)」の仕様も含まれています。

Arm アーム(腕)

文字「r」の、右側に伸び掛かる部分。

Ascender アセンダー

「エックスハイト」から上に伸びる小文字の縦線。文字「l」にはアセンダーがあります。

▶ 関連事項: 「エックスハイト(X-height)」「キャプハイト(Cap-height)」「デセンダー(Descender)」「オーバーシュート(Overshoot)」「ベースライン(Baseline)」も参照のこと。

Ascent  フォント高さ

従来の「活版印刷術 typography」では、フォントの高さとはベースラインからそのフォントの一番高いところまでの距離のことでした。

現代のタイポグラフィに於いては、フォント高さの正確な意味には異なる定義がいろいろとあるようです。

ATSUI

〔Apple Type Services for Unicode Imaging の略〕 Apple 社の高度なタイポグラフィ用システムのことです。Apple Advanced Typography(アップル社高度組版機能)とも呼ばれています。

B

Baseline ベースライン(基準線)

ベースラインとは、文字(ラテン文字、ギリシャ文字、キリル文字)が配置される水平線のことです。ベースラインは、おそらく異なるスクリプト書体毎に異なる位置になるでしょう。インド文字では、ほとんどの文字がベースラインの下側に下がります。CJK(中国・日本・韓国)系文字には、通常、字体の中央に置かれる「垂直のベースライン」もあります。「ベースライン・テーブル」(BASE / bsln tables)では、異なる文字間のベースラインを互いにどのように一致させるかを指定できます。

▶ 関連事項: 「エックスハイト(X-height)」「キャプハイト(Cap-height)」「アセンダー(Ascender)」「デセンダー(Descender)」「オーバーシュート(Overshoot)」も参照のこと。

Bézier curve or Bézier splines ベジェ曲線/ベジェ・スプライン

「ベジェ曲線」については、『マニュアル』本文の「ベジェ曲線」(日本語版はこちら)の項に詳しい説明があります。

Bidi 双方向テキスト

「双方向テキスト」とは、左横書き(左から右に書く)と右横書き(右から左に書く)の混在するテキストのことで、たとえば、アラビア語を引用している英語の文章などです。引用が入れ子構造になっていると事態は一層複雑化します。ユニコード(Unicode)の標準には、双方向テキストのレイアウト処理を扱うアルゴリズムが含まれています。

▶ 関連事項: 「犂耕体〔りこうたい〕(Boustrophedon)」も参照のこと。

Black letter ブラックレター体

中世の手書き文字を元にしたいろいろな種類の書体のこと。

▶ 関連事項: 「ゴシック体(Gothic)」「ボールド体(Bold)」「グロテスク体(Grotesque)」「サンセリフ体(Sans Serif)」「セリフ体(Serif)」も参照のこと。

BMP (Basic Multilingual Plane) 基本多言語面

ユニコードの最初の一面の 65536 個の符号位置(コードポイント)。この領域で現代世界の通常の文字のほとんどが含まれています。

以下も参照してください。

Bold ボールド体(太字)

一般的なフォント・スタイル。グリフのステム(縦線)が通常のフォントより幅広で、その文字に黒ずんだ印象を与えています。ボールド体は、他のスクリプト(文字)に容易に変換できる、LGC(ラテン語/ギリシャ語/キリル語)フォント・スタイルです。

▶ ★関連事項: 「ブラックレター体(Black Letter)」「ゴシック体(Gothic)」「グロテスク体(Grotesque)」「サンセリフ体(Sans Serif)」「セリフ体(Serif)」も参照のこと。

Bowl ボウル

文字の丸くなった部分です。

Bopomofo ボポモフォ

(近代〜1911年頃)辞書で漢語の音訳(表音的翻字)を表示するために使用された中国(北京語)アルファベット(注音符号)。

★ bounding box バウンディングボックス(境界ボックス)、矩形境界線

画像認識やグラフィクスで用いる、操作対象となる図形や画像などの周囲を囲む長方形の境界線(部分領域矩形)。対象物の移動や拡大・縮小、回転、変形など行なう領域です。

Boustrophedon 犂耕体〔りこうたい〕

「牛に犂〔すき〕を牽かせて耕すように」書くこと。すなわち、書く方向が、左横書き(左から右へ)と右横書き(右から左へ)が交互に変化する方式。 初期のアルファベット(古カナン人〔旧約聖書のころ〕や、かなり初期のギリシャの書物、さらに驚くべきことにはフサルク〔ルーン文字〕においても)で、このスタイルが用いられていました。右横書き用のグリフ〔字形〕は、左横書き文字の鏡像〔鏡文字〕になっていることもしばしばでした。現在の書紀方式で、この方式を用いているところはありません(OpenType フォントもこの方式に対応していません)。

▶ 関連事項: 「双方向テキスト(Bidi)」も参照のこと。

C

Cap-height キャップ・ハイト(大文字の高さ)

〔CAPital HEIGHT の意〕 (文字「O」のように上端が丸くなっている文字ではなく、文字「I」のように上端が平らな文字の)大文字のベースライン(基本線)から上の高さ。

▶ 関連事項: 「エックスハイト(X-height)」「アセンダー(Ascender)」「デセンダー(Descender)」「オーバーシュート(Overshoot)」「ベースライン(Baseline)」も参照のこと。

CFF コンパクト・フォント・ファイル形式

〔Compact Font Format の略〕 コンパクト・フォント・ファイル形式は、ポストスクリプト(PostScript)ベースのオープンタイプ(OpenType)フォントで最も一般的に用いられている形式ですが、SFNT ラッパーなしでも有効なフォント形式です。CFF 形式は、PostScript Type2 文字列に用いられるフォント本来(ネイティブ)のフォント形式です。

Character 文字

文字とは、少なくともひとつのグリフ(字形)に具現化された理念です。たとえば、文字「s」は、大文字の「S」、小文字の「s」、斜字体の「s」、ドイツ語の「ß」、「長い s」など、いくつかの異なる字形で表される文字です。このような字形は互いにかなり異なるように見えるかもしれないことに注意してください。とはいっても、積分記号の字形と「長い s」の字形は同じように見えるかもしれませんが、実際には、別の文字です。

Character set 文字セット

文字セットとは、順序付けられていない文字のセットです。

CID 文字管理識別番号

文字識別子または識別番号。PostScript の CJK フォントでは、グリフは文字名ではなく、CID 番号によって参照されています。

CID-keyed font CID フォント

各グリフがその名前ではなく、CID 識別番号によって索引される仕組みの PostScript フォント。

CJK 中国語・日本語・韓国語

中国語(Chinese)・日本(Japanese)・韓国(Korean)、の頭文字。この三つの言語では非常に多くのグリフ(字形)を持つフォントが必要です。この三国は、中国の漢字に基づいた書記体系を共有していますが、それぞれの国は別々の進化を遂げました。実際のところ、中国本土のフォント(簡体字)は、台湾や香港で用いられているフォント(繁體字)と異なっています。

日本語と韓国語には、表音文字もあります。日本語には「ひらがな」と「カタカナ」の二種類があり、各々大体 60 文字です。韓国語には「ハングル」と呼ばれる数万の音節文字があります。

CJKV 中国語・日本語・韓国語・越南語

中国語(Chinese)・日本語(Japanese)・韓国語(Korean)・越南語(Vietnamese)、の頭文字。この四つの言語では非常に多くのグリフ(字形)を持つフォントが必要です。

Condensed 縦長フォント(コンデンスト)

「コンデンスト・フォント」(縦長フォント)とは、グリフの縦線の間のスペースとグリフ同士の間の間隔が通常よりも狭められているフォントのことです。

Conflicting hints 競合するフォントのヒンティング

もし、あるグリフに二つのフォントヒンティングが含まれており、一方のヒンティングの開始位置または終了位置が、もう一方のヒンティング範囲内に入り込んでいる場合、この二つのヒンティングは競合している、と言います。競合しているフォントヒンティングは同時に有効化できません。

★ Conjuncts 結合文字

(consonant conjuncts「子音結合文字」ともいます) 二つ以上の子音の合字。子音結合文字には、完全形(full form)と半字形(half form)の両方、または完全形だけを持つものがあります。《出典

★ Contrast コントラスト(線の濃淡)

フォントの筆線(ストローク)の太い部分と細い部分の違い。

Counter カウンター

グリフの「カウンター」とは、文字の中で完全にもしくは部分的に閉じられた空白部分を指します。文字「o」と「n」には共にカウンターがあります。文字「i」と「l」にはありません。「e」と「」〔脱字?〕には両方ともカウンターがあります。「B」にはカウンターが二つあります。

★ Crossbar クロスバー(横線)

水平方向に引かれた直線(横線)。ステム(縦線)と交差する直線を「クロス・ストローク Cross Stroke」、両サイドとも囲まれた水平方向の直線を「クロスバー」、と区別する場合もあるようです。《出典

D

Descender デセンダー

「ベースライン」から下に伸びる小文字の線。文字「p」にはデセンダーがあります。

▶ 関連事項: 「エックスハイト(X-height)」「キャプハイト(Descender)」「アセンダー(Ascender)」「オーバーシュート(Overshoot)」「ベースライン(Baseline)」も参照のこと。

Descent 深さ

従来の「活版印刷術 typography」では、フォントの深さとはそのフォントの一番低いところからベースラインまでの距離のことでした。

現在のタイポグラフィに於ける意味は、それほど正確ではありません。

Device Table デバイス・テーブル

特定のピクセル・サイズでのラスタライズ向けに開発された、字間スペースの調整を入力可能にする OpenType の一概念。ほとんどの場合にうまく機能するカーニング値で、高さ 12 ピクセル時にグリフの並びが見苦しくなる場合、12 ピクセルのときだけに適用可能な特別な字間スペース調整値を付け加えることができます(あるいは、調整が必要な 14、18 等々のどのようなポイント数でも同様)。同様な機能は、アンカー指定されたマーク(アクセント記号などの位置指定マーク)においても必要となります。

▶ 旧日本語版 関連項目: 「グリフの並びが見苦しくなる場合」の項、および、「アンカー指定されたマーク」の項。

Diacritics 発音区別符号

多くの言語では、文字の上下に記号のある字形があり、文字を横切る記号を持つものさえもあります。こうした符号は「発音区別符号」と呼ばれています。「アクセント記号」と呼ばれる場合もありますが、余り正確な用語とはいえません。こうした文字の例としては、À à å Å Ü ü Ø ø Ç ç などがあります。

Didot point ディド・ポイント

《※ 訳注: 考案したフランス人 ディド Didot の名前に因む》 欧州の活字サイズ。「62+2/3」ポイントが 23.566mm に相当する(2.66pt/mm、または 67.54pt/インチ)。この他に、メートル法基準のディド・ポイントも存在し、0.4mm/pt である。

Distortable font 可変フォント

マルチ・マスター・フォント(Multiple Master Font)」の項を参照してください。

E

em エム

《※ 訳註: 名称の由来は大文字「M」の大きさ》 使用中のフォントのポイント・サイズと等しい「長さの単位」。10 ポイントのフォントでは、「em」は 10 ポイントになります。「em スペース」とは、そのポイント・サイズの幅に等しい「空白」のことです。また「em ダッシュ」は、そのポイント・サイズの幅に等しい横棒(水平線)の長さです。

「em スクエア」は一辺の長さが「1 em」の正方形のことです。伝統的な活版印刷(つまり、ひとつひとつの文字が金属で鋳造されていた頃)では、グリフ(各字形)はこの「em スクエア」の中に描かれなければなりませんでした。

em unit エム単位

拡大縮小可能なフォントにおいては、「em」はさらに細かい単位にまで分割されます。PostScript フォントでは通常は 1000 単位で 1 em です。TrueType フォントでは 512 や 1024, さらには 2048 で 1 em です。Ikarus フォントでは 15000 です。FontForge は座標系を定めるときにその単位を使用します。

en エヌ

〔※ 日本語版註: 名称の由来は大文字「N」の大きさ〕 「em」の半分の大きさ。

Encoding 符号化

「符号化(エンコーディング)」とは、バイトのセットを文字セットへ対応付けたものです。これによりどのバイト列がどの文字を表すかを決定しています。「符号化」と「文字セット」と言う二つの用語はしばしば同じ意味に用いられています。ASCII 規格では、文字セットと符号化の両方が規定されています。しかし、CJK 文字セットではひとつの文字セットに複数の符号化(または、複数の文字セットにいくつかの符号化)が行なわれていることがしばしばあります。

より複雑な場合では、複数のグリフが一つの文字に関連付けられていることもあり(ほとんどの文字が少なくとも 4 つの異なるグリフを持っているアラビア語のように)、使用するプログラム上で、文脈に応じてその文字に適切なグリフを選択しなければなりません。

Eth — Edh エヅ

古ゲルマン語の文字「ð」で、(英語の)有声 th 音(「this」という語にある音)。殆どの英語話者は、英語の「th」音に二つの音があることに気づいてすらいませんが、実際にはあります。

Thorn の項も参照してください。

Even-Odd Fill rule 偶奇塗り潰し規則

この規則にしたがって、あるピクセルを塗り潰すべきかどうかを確定するには、そのピクセルから任意の方向への無限直線を引き、この直線と交わるグリフの輪郭線の数を数えます。もし交わる回数が基数であれば、そのピクセルは塗り潰され、偶数であれば、塗り潰さずに残します。この方法は、PostScript 2.0 以降の「PostScript ラスタライザー」〔ドット変換描画プログラム〕で用いられているものです。

非ゼロ回転数塗り潰し規則 の項も参照してください。

Extended 幅広フォント

幅広フォントとは、グリフの縦線の間のスペースや、グリフ同士の距離が広げられているタイプのものです。

Extremum (plural: Extrema) 極値

「極値」とは、数学的曲線の一点で、曲線がその最大値または最小値になる点をいいます。連続的な曲線では、極点が曲線の終端に来たり(ありふれていますが)、dx/dt=0 や dy/dt=0 になることもあり得ます。

フォント・デザインでは、グリフの極値は、輪郭線の最上部と最下部の点、および最左端と最右端の点です。四極点すべてがグリフの曲線上の点であることが需要です。これにより、フォントが使用される際にテキストのレンダリングが簡素化されます。

F

Features (OpenType) (OpenType の)機能

複雑な文字のフォントを(それほど複雑でない文字のフォントですら)作成する場合、フォントが実際の表示に使えるようになるには、入力したグリフにさまざまな変形(合字のような)を適用しなければなりません。こうした変形はフォント特性として認識され、(OpenType フォントでは)4 文字のタグが、(Apple では)2 桁の識別番号が、付けられます。こうした特性の意味は、Mictosoft 社と Apple 社により、あらかじめ定義されています。FontForge では、検索を作成した時点で(または後でも)各検索に一つ以上の特性をタグ付けできます。

Feature File 機能ファイル

「機能ファイル」は、Adobe 社が OpenType 機能を記述するために策定したテキスト構文です。ひとつのフォントから別のフォントへ、機能や検索情報を移動するのに利用できます。

Feature/Settings (Apple) 機能/設定

上記、「OpenType の機能」とほぼ同一です。これは Apple 社が定義しています。

Font フォント

グリフのデータ集。通常、そのフォントの文字セットの中で、しばしば符号化されて、少なくともひとつのグリフにひとつの文字が関連付けられています。

フォントには、フォント・データのバイト列を、そのバイトが指定する文字画像に変換するために必要な多くの情報が含まれています。

従来の活字組版では、フォントは文字像が刻まれた小さな金属ブロックの集合体で、ポイント・サイズごとに異なるフォントが準備されていました。

Font Family, or Family フォント・ファミリー

関連するフォントの集まり。しばしば、標準体、斜字体、太字体が含まれています。

FreeType フリータイプ・プロジェクト

フォントの描画するためのライブラリ。FontForge では、TrueType フォントのふるまいを理解するために広範に使用されており、このライブラ入りを持ちることで、より高品質の描画を行なうことが可能になります。

FreeType Project のサイトはこちら(英語版)です。

Fuþark (Futhark) フサルク

古ゲルマン語のルーン文字。《※ 訳注: ルーン文字の最初の 6 文字による名称》

G

Ghost Hint ゴースト・ヒンティング

時として、水平エッジが実際に水平であることを示すことが重要な場合がありますが、エッジには通常の縦線(ステム)を形成するための対応するエッジがありません。このような場合、特別なヒンティングが「幅 -20(または -21)」で使用されます。ゴースト・ヒンティングは、完全にグリフ内に存在する必要があります。もし輪郭線の上端にあれば「幅 -20」を使用し、下端にあれば「幅 -21」を使用します。ゴースト・ヒンティングは「ブルーゾーン BlueZones」内にも入っていなければなりません。

(この仕様書はまた、垂直方向のゴーストヒントについても書かれていますが、垂直方向の BlueZone というものが存在しないため、どのように使うべきかは明らかでありません。)

Glyph グリフ(字体)

グリフはイメージであり、しばしば、一つ以上の文字と関連付けられています。たとえば、「f」を描くグリフは文字の「f」と結びつき、合字「fi」のグリフは「f」と「i」の両方と関連しています。複雑ではないラテン語文字フォントでは、多くの場合、関連付けは 1 対 1 ですが(各文字にたいして一つのグリフが対応します)、より複雑な文字フォントやスクリプトでは、一つの文字にたいして複数のグリフが存在していることがあります(ルネッサンス時代の印刷では、文字「s」に二つのグリフが用いられていました。ひとつは語頭と語中に使用された長い s」で、もう一つは語尾だけに使われた「短い s」です)。リガチャ(合字)では、一つのグリフが二つ以上の文字に関連付けられています。

フォントとは、文字からグリフへのなんらかの変換対応の規則を含んだグリフの集まりのことです。

Grid Fitting グリッド・フィッティング

TrueType のグリフは、ラスタライズ(描画)される前に、「グリッド・フィッティング」という過程を通過します。この過程では、(各グリフと関連する)小さなプログラムが実行され、グリフの輪郭上にある点を移動し、画素グリッドに最も合致するようにしています。

Gothic ゴシック体

グーテンベルク(Gutenberg)の時代のドイツの修道僧は「ブラックレター体」書法を用いており、グーテンベルクはその手書き文字を印刷用活字書体に援用しました。印刷術が南方に伝わった後、イタリアの活字デザイナーはそのスタイルを嫌い、ローマ人が残した書体デザインを好んだため、侮蔑の意味を籠めて、ローマ帝国を滅ぼす一助となった蛮族ゴート人のスタイルを意味する「ゴシック体」と呼びました。

▶ 関連事項: 「ブラックレター体(Black Letter)」「ボールド体(Bold)」「グロテスク体(Grotesque)」「サンセリフ体(Sans Serif)」「セリフ体(Serif)」も参照のこと。

Graphite tables グラファイト・フォント表

「グラファイト Graphite」フォントは、TrueType フォントの拡張版で、以下のような処理規則(事例はこちら)を含んだ幾つかのテーブル(表)をフォントに組み込んだものです。

  • 文脈内文字整形 contextual shaping: 単語内の位置と周囲の文字に応じて、特定のフォントで文字の必要な形状を選択します。
  • 合字 ligatures: 隣接する二つの文字を一つに接続して表示します。〔※ 参考
  • 文字の並び替え reordering: 〔※ 詳細不明/参考
  • グリフの分割 split glyphs: 〔※ 詳細不明〕
  • 双方向性 bidirectionality: 〔※ 詳細不明/参考
  • 発音区別符号の積み重ね stacking diacritics: 二つ以上のアクセント記号を重ねて表示できるようにします。
  • 複雑な位置決め complex positioning: 〔※ 詳細不明〕

これらは OpenType の機能のようにも聞こえますが、OpenType では関係するグリフについて多くの情報を持つテキスト・レイアウト処理プログラムが対処している点が異なります。つまり、OpenType フォントでは、オペレーティング・システム OS の更新がない限り新しい言語や文字には対応できませんが、Graphite テーブルにはそのような「隠された情報」のすべてが含まれているのです。

アップル社の高度組版機能(AAT)では、より優秀な方法を呈示していますが、Graphite テーブルのほうが組み込み易いと考えられます。

SIL International が無償で Graphite コンパイラーを提供しています。

Grotesque グロテスク体

サンセリフ体」の項を参照してください。

▶ 関連事項: 「ボールド体(Bold)」「ブラックレター体(Black Letter)」「ゴシック体(Gothic)」「サンセリフ体(Sans Serif)」「セリフ体(Serif)」も参照のこと。

H

★ Half-form 半字形

子音の変形形式で、合字に関与しない場合に、基本子音の左側に表示されます。《出典

Han characters 漢字

〔Han = 漢王朝〕 中国、日本、韓国で用いられている表意文字で、すべて中国で発展した表記法に基づいています。

Hangul ハングル(한글)

韓国の音節文字。字母に基づく唯一の音節文字。字母単独では決して用いられず、二~三の字母が一塊になってはじめて音節を構成します。

Hanja 漢字(한자)

「漢字」の韓国語読み(表記)。

Hints フォントヒンティング(ヒント情報)

《※ 訳注: この用語は、FontForge では「ヒント」と記載されていますが、一般用語の「ヒント」との混同を避けるため、Wikipedia に倣い、ここでは「フォントヒンティング」と記載しています。》

フォントヒンティング」とは、小さい文字サイズでも字形が不明瞭にならないように描画するための最適化技術です。詳しくは、本編『マニュアル』の「ヒント」および「ヒント付け」を参照してください。

Hint Masks ヒント・マスク

輪郭線上のどの点であっても、ヒント情報が競合することは許されません。しかしながら、グリフの別々の点で競合する日知情報が必要になるかもしれません。そこで、時折、輪郭線でどのヒント情報を有効とするかを切り替えることが行なわれます。有効なヒント情報のリストは「ヒント・マスク」と呼ばれています。

Hiragana ひらがな(平仮名)

二つある日本語の音節文字のひとつ。「ひらがな」と「カタカナ」は同じ音価を持っています。

I

Ideographic character 表意文字

(その語を綴り書きせずとも)その概念を一文字で表わす文字。一般的には「漢字」(中国語)の意味に用いられています。

★ Ikarus font イカルス・フォント

フォント作成システム「IKARUS」から生み出される書体。

▶ 詳しくは Wikipedia の「Ikarus (typography software)」(英語版)を参照してください。

Italic イタリック体(斜字体)

傾斜した形のフォントで、しばしば強調表示に用いられます。

イタリック体は、正体から斜字体への変換が、単に文字の形状を歪めるだけではないという点で、オブリーク体とは異なります。通常、小文字の「a」は「a」に変化し、小文字のセリフも i(i)のように変わります。また、フォンとも一般に流れるような印象になります。

J

Jamo ハングル字母(자머)

〔Jamo は「字母」の韓国語読み〕 韓国語字母の文字。この自体はおそらく単独では用いらず、通常、ハングル音節の一部として三つの字母の集まりとして現れます。ハングルの字母は「初声子音」「中声母音」「終声子音」の三つのカテゴリーに別れています(最初と最後のものにはかなりの重複がありますが)。音節文字は、初声子音のグリフを「em スクエア」(文字エリア)の左上に、次声母音のグリフを右上に、そして終声子音があるときは「em スクエア」の下半分に置くことによって構成されます。

K

Kanji 漢字

漢字」(中国語)の日本語読み。

Katakana カタカナ(片仮名)

二つある日本語の音節文字のひとつ。「ひらがな」と「カタカナ」は同じ音価を持っています。

Kerning カーニング

二つのグリフ間の間隔が既定値では適切ではない場合、例えば特定のグリフ(「T」など)に別のグリフ(「o」など)が続くときに、見映えをより良くするために「T」の送り幅をある程度調整すべきことを指示する追加情報をフォントが持つことができます。

金属活字が使われていた頃は、よりしっくり並ぶように、実際に活字の側面を削り落とす必要がありました。たとえば、「F」では一部の金属を取り除き、小文字が体裁よくより近くに配置されるようにされました。

Kern pair カーニング・ペア

カーニング情報が定義されている一対のグリフ。

Kerning by classes クラス単位のカーニング

フォントのグリフは、いくつかのグリフの組(クラス)に分けられ、各クラス同士の可能な組み合わせで必要なカーニング・レベルを指定した大きなテーブル(表)が作られています。通常、このテープルは、実際のカーニング・ペアの件数よりは小さいはずです。というのも、各クラスには複数のグリフが纏められているからです。

Knuth, Donald ドナルド・クヌース

米国の数学者。1970年代から80年代に、活字組版の酷さにうんざりして、コンピュータによる独自のフォント・デザイン・システム「MetaFont」と組版レイアウト・プログラム「TeX」を作成してしまった人(生みの親)。

L

★ Leading レディング

⦅印刷用語⦆横書きの文字での行間隔を決める文字上部の余白。 ※ 活版印刷で、行間の余白を作るために行と行の間に鉛 Lead の金属板を挟み込んだことに由来します。

Left side bearing 左ベアリング

グリフの原点からその最左端までの水平距離。正のことも負のことも有り得ます。

右ベアリング も参照。

Lemur キツネザル

霊長目原猿類の単一の属で、現在はマダガスカルでのみ見られますが、(約 5,000 万年前には)この科の種族はより広範囲に分布していました。

《※ 訳注: フォント用語と本項の関連は不明なるも、FontForge 原著者の履歴 には「霊長類学者」としてキツネザルの現地調査体験が語られています。なお、「Lemur」という名のフォントもあるようですが・・・。》

LGC ラテン文字・ギリシア文字・キリル文字

ラテン文字(Latin)、ギリシャ文字(Greek)、キリル文字(Cyrillic)。この三つの文字は、過去数千年に亙って、互いに影響しあいながら発展して来ました。文字の形は非常によく似ています(幾つかの文字は共有されています)。多くの文字の概念、たとえば「小文字」とか「イタリック体」とかも、この三つの文字に当てはまりますが、他の文字ではそうではありません(まあ、アルメニア文字にも小文字の概念はありますが)。

Ligature 合字(リガチャ)

二つの近接するグリフで構成されるひとつのグリフ。手書きラテン語での一般的な事例としては、合字「fi」があり、二文字連続の場合よりも洗練された印象があります。

Linespace 行間

活字の連続する行間の距離。

★ Lining ライニング(文字高さの揃った)

ベースライン(Base Line)とキャップハイト(Cap Height)の高さが揃っていること。 【出典

▶ 関連事項: 「等幅ライニング(Tabular Lining)」「プロポーショナル・ライニング(Proportional Lining)」

M

★ Maatra / Matra (Dependent Vowel) マートラ

Dependent Vowel(従属母音)。サンスクリット語で「マトラ」と呼ばれています。子音に固有ではない母音を表すために使用され、常に単一の子音または子音クラスターと組み合わせて表現されます。さまざまなインドの文字間の最大の違いは、基本文字に従属母音を付ける規則にあります。《出典

Manyogana 万葉仮名

古い日本語の書法で、「ひらがな」と「カタカナ」双方の祖先に当たります。万葉仮名は、(日本語の)表音文字として漢字の字音を用いており、長い年月をかけて、そうした漢字が簡略化されて「ひらがな」と「カタカナ」になりました。

Monospace モノスペース

すべてのグリフが同じ文字幅(送り幅)を持つフォント。このようなフォントは、時に「タイプライター体」フォントとも呼ばれます。

Multi-layered fonts 多レイヤーフォント

フォントフォージでの独自用語。PostScript type3 フォントと SVG フォントでは、通常のフォントよりも多くの描画モードが可能です。通常のフォントは、グラフィックス環境から引き継がれた単色べた塗しかできませんが、この二つのフォントでは、多色の塗り分け、筆書き風、画像取り込み、階調表示、などが可能です。

Multiple Master Font マルチ・マスター・フォント(MM フォント)

マルチ・マスター・フォント」とは、PostScript フォントの拡張機能で、無数の関連フォントを定義できます。マルチ・マスター・フォントは、いくつかの軸に沿っての形状変更が可能です: たとえば、あるフォント・ファミリーに異なる太さ(weights)と異なる文字幅の両方を定義した複数のマスターがある場合、それを使用して、「細字」Thin、「標準」Normal、「中太」Semi-Bold、「太字」Bold、「縦長」Condensed、「幅広」Expanded、「縦長太字」Bold-Condensed などを生成できます。

Adobe 社は、このタイプのフォント開発を既に中止しました。また、Apple 社には同様の仕組みのフォーマットがありますが、実際のフォントは多くはありません。FontForge では両方の方式に対応しています。

N

Namelist 名前リスト

Unicode 符合位置からグリフ名への対応づけ。

Non-Zero Winding Number Fill rule 非ゼロ回転数塗り潰し規則

あるピクセルをこの規則に基づいて塗りつぶすかどうかを決定するには、そのピクセルから任意の方向への無限直線を引き、この直線と交わるグリフの輪郭線の数を数えます。もし輪郭線がこの線を時計回り方向で交わったら 1 を加え、輪郭線が直線と反時計回り方向で交わったら 1 を引きます。もし結果がゼロでなければ、そのピクセルを塗り潰し、セロであればピクセルは空白のままにします。この方法は TrueType や古い(バージョン 2 以前の)PostScript でフォントをラスタライズするために用いられています。

偶奇塗り潰し規則 の項も参照してください。

★ Nukta / Nuqta? ヌクター

先行する子音 (またはマートラ) の発音方法を変更する結合文字。《出典

O

Ogham オガム文字

古代ケルト語の碑文文字。

OpenType オープンタイプ・フォント

フォント形式のひとつ。OpenType フォントは、「ポストスクリプト(PostScript)フォント」と「トゥルータイプ(TrueType)フォント」を一つの規格に纏める目的で作られました。

したがって、OpenType フォントには、TrueType フォント または PostScript フォントのどちらかを格納することができます。

OpenType フォントのデータには、TrueType フォントにあったエンコーディングなどの情報用データ・テーブルとおなじものが多数含まれています。

紛らわしいことに、Adobe 社と Microsoft 社が TrueType フォントに追加した高度組版テーブルを指すこともあります(が、Apple 社では追加していません)。これには文脈に即した合字(リガチャ)、文脈に即したカーニング、グリフ置換などの処理を含みます。

マイクロソフトの Windows では、OpenType フォントを「DSIG」(デジタル署名)テーブルを含むフォントの意味として用いています。

OpenType Tables オープンタイプ・テーブル

各々の OpenType フォントにはさまざまな情報を持たせるためのテーブルが格納されています。

Oblique オブリーク体(斜字体)

傾斜した形のフォントで、通常強調表示に用いられます。

オブリーク体は、正体を数学的または機械的に文字の形を傾けただけという点でイタリック体とは異なります。

Overshoot オーバーシュート

文字「O」の曲がった部分(上端・下端)が、文字「I」の平らな上端・下端と同じ高さであるように見せるために、凡そ 3% くらい「キャプハイト」または「エックスハイト」から上にはみ出させます(オーバーシュート)、あるいは「ベースライン」から下へはみ出させます(アンダーシュート)。三角形のはみ出し部分(文字「A」のように)では、オーバーシュートはさらに大きくなり、おそらく 5% 程度です。

この方法は、目の仕組みと目の錯覚に基づいており、ピーター・カロウ(Peter Karow)の 『Digital Formats for Typefaces』(26 頁)から引用されています。

オーバーシュートはまた、フォントのポイント・サイズにも依存しています。ポイント・サイズが大きくなればなるほど、オーバーシュートは小さくなるはずです。一般に、最新のフォントでは複数のポイント・サイズが使われていますが、フォント・ファミリーによっては異なるポイント・サイズに複数の書体があるので、そのような場合には、オーバーシュートもおそらく書体ごとに異なるでしょう。

▶ 関連事項: 「エックスハイト(X-height)」「キャプハイト(Cap-height)」「アセンダー(Acender)」「デセンダー(Descender)」「ベースライン(Baseline)」も参照のこと。

P

Panose (書体区分法)

フォントを(字形で)分類するための仕組み。詳しくは『Panose Font Classification System Metrics Guide』を参照してください。また、拡張改訂版『Panose 2.0』もあります。

FontForge では、欧文フォントの区分方式にのみに対応しています。そのほかの書体に対する区分方式も存在しています。

★ path バス(輪郭線経路)

コンピューターの一般用語としての「path」は、あるプログラムやデータのファイルが保存・格納されている場所までの「経路」を指しますが、フォント・デザインではフォント・データの輪郭線(アウトライン)を構成する線分の「繋がり経路」をいいます。パスが開いている(open path)では字形の輪郭が完成していないので、エラーになります。

PfaEdit (FontForge の旧称)

「PfaEdit」は FontForge の旧称です。当初の考えでは、type1 ASCII フォントを編集するだけが目的でした(ので PfaEdit という名称になりました)が、その後、当初の意図を超えて急速に変容を遂げることとなりました。ただし、名称を変更するまでに三年を要しました。

Phantom point (幽霊点)

TrueType フォントでは、グリフを形成する輪郭線では指定されていない点で、各グリフに追加されているものがいくつかあります。こうした点は「ファントム・ポイント(幽霊点)」と呼ばれています。たとえば、グリフの最左端を示す「左ベアリング」や、グリフの「送り幅」などです。TrueType の内部処理命令(ヒント情報)では、他のグリフの図形制御点と同様に、このような幽霊点も移動することができ、これにより左ベアリングや送り幅が変更されるのです。TrueType の初期バージョンでは、上記 2 つの幽霊点のみでしたが、最近では「最上端位置点 top-sidebearing」や「縦送り幅 vertical advance width」も指定できるようになりました。

Pica パイカ

35/83cm(または約 1/6 インチ、約 4.222mm)と定義(少なくとも米国では)されている長さの単位。この単位は、テキスト行の長さを測定(「30 パイカ、4 ポイントの長さ」など)するために使用されましたが、フォント高さの測定には使用されませんでした。

「ポイント」単位が出現する前の、ルネサンス期の活版印刷術では、活字の大きさに名前があり、「パイカ」もその関連でも散られました。すなわち(徐々に小さいサイズの活字を表わします)、「Great Canon」、「Double Pica」、「Great Primer」、「English」、「Pica」、「Primer」、「Small Pica」、「Brevier」、「Nonpareil」および「Pearl」。事例については Wikipedia の『Caslon’s type specimen sheet』を参照してください。

Pica point パイカポイント

アングロサクソン系アメリカ流のポイント数。72.27pt が 1 インチ(2.85pt が 1mm、= 0.35mm/pt)。

Point ポイント

「ポイント pt」は長さの単位。コンピュータの出現以前には一般的な用法で(少なくとも)三つの異なる定義がありました。アングロサクソンの印刷界で用いられていたのは、1 インチあたり 72.27 pt(2.85 pt/mm = 0.351mm/pt)の「パイカ・ポイント」で、ヨーロッパ大陸で使用されていたのは、23.566 mm あたり 62 2/3 pt(2.66pt/mm or 67.54pt/inch、= 0.376mm/pt)の「ディド・ポイント」で、フランス人は時に中央点(1 インチあたり 72.78 pt、2.86 pt/mm、= 0.349 mm)を使用していました。

ディド・ポイントとパイカ・ポイントは、任意のポイント・サイズのテキストが双方のシステムでほぼ同じキャップハイトになるようになっていますが、英語以外のラテン文字を用いるほとんどの言語にはアクセント記号の付く文字があるために、ディド・ポイントのほうは大文字の上に ホワイトスペース(余分な空白)が作られています。

このことは、欧州大陸で用いられるフォントの文字高さ(縦方向の em 寸法)が文字幅よりも小さくなるという興味深い副次的な影響がありました。コンピューターのフォントではこの現象を無視しているようで、おそらく、欧州の印刷では、現在、より広い行間(レディング)を設定しているものと思われます。

コンピューターはパイカ・ポイントに近い値で動作する傾向があるようです (ただし、これは米国中心の話かもしれません)。PostScript フォントでは、1 インチの 72分の1 (= 0.353 mm)の単位が用いられています。

元々、フォントはポイント・サイズではなく、フォント名で呼ばれていました。1730 年代になって、フォントの高さを規定するためにフランスのピエール・フルニエ(Pierre Fournier)が「ポイント」システムを提唱し、これを後に、フランスのフランソワ=アンブロワーズ・ディド(Francois-Ambroise Didot)が改良しました(よってその名前を冠して「ディド・ポイント」と呼ばれています)。1878 年に、シカゴ活字鋳造所(the Chicago Type Foundry)が初めて米国でポイント・システムを採用し、1886 年に「US ポイント」が標準化されました。パイカは 35/83 cm(= 0.422 cm)と決められ、「パイカ・ポイント」はその 1/12(=0.351 mm)になりました。

Point Size ポイント・サイズ

伝統的な活版印刷では、10pt のフォントとは各グリフが 10pt の高さを持つ金属ブロックを指しました。フォントの「ポイント・サイズ」は、行間ベタ(レディングなし)の組版におけるベースラインからベースラインまでの距離のことです。

Point of inflection 変曲点

曲線上の点で、その点を境にして下に凸な曲線が上に凸に転ずるところ(またはその逆)。(連続曲線の)数学的な用語では、d²y/dx²=0 または無限大となる点。

三次スプライン曲線には変曲点が含まれる場合がありますが、二次スプライン曲線には含まれません。

PostScript ポストスクリプト

「ポストスクリプト(PostScript)」は、多くのプリンターで用いられているページ記述言語です。この言語にはいくつかの異なるフォント形式に対する規格が記載されています。PosrScript と TrueType フォントとの違いについては、『FontForge』マニュアルにて説明しています。

  • Type 1 — PostScript の旧標準フォント形式です。この形式のフォントは、通常、.pfb か .pfa の拡張子を持っています。Type 1 フォントでは 1 バイトの符号化(エンコーディング)、すなわち 256 個のグリフが符号化できるだけです。

  • Type 2/CFF ― この PostScript フォント形式は、OpenType フォントの内部形式として使われているものです。ほとんど Type 1 と同一ですが、いくつか拡張が施され、Type 1 よりもコンパクトな(圧縮された)形式です。通常は CFF ラッパー内にあり、そのCFF ラッパーは通常 OpenType フォントの中にあります。CFF フォント形式でも 1 バイトのエンコードしか行なえませんが、OpenType ラッパーにより拡張され、より複雑な符号化形式に対応できるようになっています。

  • Type 3 ― この形式では、フォントが完全な PostScript を使用できますが、フォントヒンティングが許可されていないため、このフォントは小さなポイント・サイズでは見栄えがよくありません。また、ほとんどの(画面表示)描画システムは、このタイプのフォントを取り扱えません。Type3 フォントも、1 バイトの符号化までしか対応していません(すなわち、たった 256 個のグリフしか登録できません)。

  • Type 0 ― この形式は多くのサブ・フォント(Type 1、2、3 のどれか)を多バイト符号化でひとつの大きなフォント・ファイルに纏めるために用いられており、CJKUnicode フォントに使用されました。

  • Type 42 ― TrueType フォントを PostScript 形式でくるんだもの。OpenType と逆のものと言えます。

  • CID ― この形式は、多くのグリフを持つ CJK フォントで用いられるフォント形式です。グリフそのものは Type1 または Type2 のどちらかの形式で符号化されています。CID フォント自体は符号化を行ないません。ただ、CID 番号を各グリフに割り付けているだけです。外部 CMAP ファイルが、必要に応じて、適切な符号化を行なうために使用されます。

★ Proportional Lining プロポーショナル・ライニング(可変幅ライニング)

文字ごとに適した文字幅が設定された書体。

▶ 関連事項: 「等幅ライニング(Tabular Lining)」「ライニング

Python パイソン

コードの読みやすさを重視したコンピューター・プログラミング言語。

R

Reference 参照

「参照 reference」とは、あるグリフの外形を別のグリフへ保存する方法です(たとえば、アクセント記号付きグリフへ)。コンポーネント(成分・構成要素)とも呼ばれます。

★ Reserved Words 予約語

プログラム言語やシステムによって、あらかじめ用途が決められており、プログラマが自分で付ける識別名(変数名や関数名)などに使用することができない文字列(単語、字句など)。

★ Repf レフ

デーヴァナーガリー文字で使われる「Ra」文字が音節の最初の子音であり、基本子音ではない場合に使用される文字「Ra」の基本字形の上部に付く記号。《出典》《Reft文字

Right side bearing 右ベアリング

グリフの最右端から送り幅までの水平距離。正のことも負のことも有り得ます。

左ベアリング も参照。

S

Sans Serif サンセリフ体

★ 〔仏語 Sans-Serif=セリフ(Serif)のない(sans)の意〕 画線の先端部に飾り線(セリフ)がない書体の総称。

詳しくは「セリフ体」の項を参照してください。

▶ 関連事項: 「ブラックレター体(Black Letter)」「ボールド体(Bold)」「ゴシック体(Gothic)」「グロテスク体(Grotesque)」「セリフ体(Serif)」も参照のこと。

Script スクリプト(文字・用字系)

スクリプトは文字セットのひとつで、文字を揃えるための連結規則です。ラテン文字、アラビア文字、カタカナ、漢字はすべてスクリプトです。

★ Semantic Versioning (意味付け版数管理)

ピリオド(.)で区切られた三組の数字で版数を管理する手法。各数字は、Major.Minor.Patch(たとえば 1.84.2)を意味します。【出典

  • Major: 主変更(互換性のないAPI変更など)
  • Minor: 細部変更・修正
  • Patch: バグなどの修正版

Serif セリフ体

2000 年程前、ローマ人が文字を石碑に刻印していた時代に、ローマ人はグリフの主軸(縦線)の終端部に細い線を加えると石割れが減ることを見出しました。

そのような細い線は「セリフ」と呼ばれ、それ自体が美的な魅力を発揮するようになりました。初期の文字デザイナーは、機能面ではなく美的な理由によりフォントにセリフを付け加えました。

19 世紀の終わり/20 世紀の初めになると、文字デザイナーはセリフのないフォントを作成するようになります。このフォントは、その形の見た目が奇妙であったため、当初は「グロテスク体」と呼ばれていましたが、今では一般的に「サンセリフ体」と呼ばれています。

他の書記体系(たとえば、ヘブライ語)にはそれぞれ独自のセリフを有しています。ヘブライ語のセリフは、ラテン語(キリル語・ギリシア語)のセリフとは異なり、グリフの上端のみに付きます。

▶ 関連事項: 「ブラックレター体(Black Letter)」「ボールド体(Bold)」「ゴシック体(Gothic)」「グロテスク体(Grotesque)」「サンセリフ体(Sans Serif)」も参照のこと。

SFD (FontForge のフォント・ファイル名)

「スプライン曲線フォント・データベース」の意味(Spline Font Database の頭文字語)。FontForge の独自フォント・ファイルの表現法。このファイルは ASCII 形式で、かろうじて読み取り可能です。ファイル形式の詳細はこのサイトにあります。2008 年 5 月 14 日現在、このフォーマットは MIME タイプ application/vnd.font-fontforge-sfd として IANA に登録されました。

★ MINE: Multipurpose Internet Mail Extensions〔多目的インターネットメール拡張仕様〕

★ IANA: Internet Assigned Number Authority(インターネット・アサインド・ナンバー・オーソリティ〔IPアドレスを管理する機関〕)

(この頭字語「sfd」は、以下のように他の用途でも使われています。遺憾ながら。)

  • 1960年代後半に登場したディジタル・イクイップメント社のメインフレーム・コンピューター(Digital PDP-10)用 OS「Tops-10」では、sfd = Sub File Directory「下位ファイル・ディレクトリ」の意味。Tops-10 は最上位(ホーム)ディレクトリ(user file directoriesと呼ばれます)と下位ディレクトリを区別していました。

  • 組版用フリーウェア・ソフトウェア「TeX」では、Sub Font Definition「下位フォント定義」の意味で用い、TeX sfd ファイルには大きなデータの CJK や Unicode フォントを、それぞれが TeX(あるいは TeX の古いバージョンで必要な 1 バイト符号化(encoding)された小さいサブフォントに分割した情報が格納されています。

SFNT SFNT フォント形式

汎用フォント形式の名称で、TrueTypeOpenType、Apple 社のフォント(ビットマップのみ)、X11用フォント(ビットマップのみ)、旧式の「typ1」フォント、および Adobe 社の SING フォント(そして勿論その他のフォントも)などが含まれます。上記のフォント・フォーマットはすべてこの汎用形式に沿っていますが、より個別の要求事項(どのテーブルが必要か、また各テーブルのフォーマットなど)を含んでいます。

★ Side Bearing サイドベアリング

フォントを並べたときに隣接する字形の間隔が適切になるように設定されたスペース【出典

SIP 追加漢字面

ユニコードの「追加漢字面」(0x20000-0x2FFFF)。稀にしか用いられない漢字(ほとんどはもはや常用されていません)用に使用されます。

以下も参照してください。

SMP 追加多言語面

ユニコードの「追加多言語面」(0x10000-0x1FFFF)。古代および人工の文字や音節文字(線文字 B、ゴート文字やシャバ文字)用に使用されます。

以下も参照してください。

Spline スプライン曲線

曲線の一部。FontForge で使われているスプライン曲線は、2 次(quadratic)または 3 次(cubic)のベジェ曲線と Raph Levien のクロソイド曲線です。

Raph Levien は Research Software Engineer @ Google のことと思われます。

SSP 追加特殊用途面

ユニコードの「追加特殊用途面」(0xE0000-0xEFFFF)。ほとんど何にも使用されていません。

以下も参照してください:

State machine 状態機械

状態機械」とは、非常に単純で小さなプログラムのようなものです。Mac 上で文脈依存置換とカーニングを実行するために使用されています。「状態機械」処理のダイアログには、「エレメント(L)⇒ フォント情報(F)⇒ Lookups」から呼び出し可能です。

「状態機械」には「状態テーブル」があり、その状態は入力に応じて(同じ状態または異なる状態への)一連の推移を代わる代わるに表わします。フォントの状態機械では、開始状態と呼ばれる特殊な初期状態から始まり、テキストのグリフを連続して読み込みます。一つ一つのグリフを読み込むたびに状態の変化が起こり、この状態変化に応じてグリフの連続に対する変更処理(文脈依存置換やカーニング処理)が行なわれます。

Stem ステム(縦線)

ステムとは、文字の垂直部分のことです。文字「I」と「l」はセリフ部分を除けばすべて「ステム」です。文字「H」には、2 本のステムと 1 本の横棒からできています。その他にステムを含んでいるグリフ(字形)には、B b F f K k P p R r 1 および 4 があります。

Strike (字面?)

フォントの特定の状態。最も一般的には、「ビットマップ・ストライク」はフォントの特定のピクセル・サイズをいいます。

★ Stroke ストローク(筆線)

一本のラインで書かれた、文字の一部。《出典

Style スタイル

フォントには慣習的にさまざまな変形体があります。おそらく、どの筆記体系でもグリフの縦線の太さが異なることはあり、これはフォントの太さ(ウェイト)と呼ばれています。一般的な太さは、「標準体(normal)」か「太字体(bold)」です。

LGC 文字では、イタリック体(あるいはオブリーク体)が生まれ、強調に使われています。

フォントはしばしば「縦長」体に圧縮されたり、「横長」(幅広体)に引き伸ばされたりします。

ほかのさまざまなスタイルも時折使用されています: 「下線」、「取り消し線」、「輪郭(白抜き)文字」、「影付き文字」。

SVG (画像ファイル形式名)

「伸縮可変なベクタ・グラフィクス(Scalable Vector Graphics)」の略称。ベクタ画像の描画に用いられる XML フォーマットの 1 つ。フォント・フォーマットも SVG に含まれます。

Syllabary 音節文字

「音節文字」は、アルファベットのような表音文字体系です。ただし、アルファベットとは異なり、書き表わされる音声単位は音節であって、音素ではありません。日本語のカタカナは、「ka」音がひとつのグリフ「カ」で表わされます。音節文字はアルファベットよりも文字種が多くなる傾向があり、カタカナはだいたい六十種類、韓国のハングルは数万の文字が必要です。

▶ 関連事項: 「アブジャド(abjad)」「アブギダ(abugida)」「アルファベット(alphabet)」および「関連するウィキペディア記事」(日本語記事はこちら)も参照のこと。

T

★ Tabular Lining (等幅ライニング)

表組みなどで桁を揃えたいときに用いられる、同じ字幅で統一されている書体。それぞれの文字ごとに字幅が調整されている書体は「プロポーショナル」(Propotional)と呼ばれます。〔tabular は「表(table)形式」用の意味〕

Terminal 終端

グリフの「終端」とは、筆線の終わる部分のことです。文字「f」の上部には終端がひとつあります。文字「s」には終端がふたつあります。グリフにセリフが付いている場合、セリフ部分は終端とはことなる部分と考えられています、というのも、文字「f」の底部にはセリフがあり、セリフ付きのグリフでは、底部は終端とは見做されません。しかしながら、文字「j」と「y」の底部は終端と見做されています。同様に、文字「3」には、ひとつは上部にひとつは底部に、計ふたつの終端があります。中央部は終端ではなく、接続部と見做されます。このような部分の区分は、おそらく厳密な論理というよりは、慣習に基づくものです。

TeX (組版処理システム名)

組版処理プログラム。

Thorn ソーン(無声 th 音)

ゲルマン語の文字「þ」のことで、(英語の)無声 th 音(単語 thorn にあるように)に用いられます。この音は、ギリシア語のシータ(θ)とほとんど同一と考えられます。現在、このグリフの崩れた形が、“the”の意味をもつ“ye”に生き残っています。

エヅ(Eth)の項も参照してください。

TrueType トゥルータイプ・フォント

Apple 社により開発されたフォント形式で、Microsoft 社にも供与されました。このフォント技術では、二次ベジェ曲線で輪郭線を定義し、先進的なヒンティング制御機能と、フォントにとって重要と思われる追加情報を保持するための拡張可能な一連のテーブルを持っています。

Apple 社と Adobe 社/Microsoft 社とこのようなテーブルを異なる用途に拡張し、非ラテン語系文字で(複雑なラテン語系文字でも)必要となる高度な組版機能を導入しました。

アップル社高度組版機能オープンタイプ・フォントの項も参照してください。

TrueType Tables トゥルータイプ・フォント・テーブル

各トゥルータイプ・フォントには様々なテーブルが組み込まれており、各々何らかの情報を保持しています。

Type 1 タイプ 1 フォント

PostScript フォント形式のひとつ。

Type 2 タイプ 2 フォント

PostScript フォント形式のひとつで、OpenType フォントに埋め込むために用いられます。

Type 3 タイプ 3 フォント

PostScript フォントの最も一般的な形式。

Type 0 タイプ 0 フォント

PostScript フォント形式のひとつ。

Type High 活字高さ

金属活字の時代には、金属部の高さ、つまり印刷面から金属活字が置かれている基台までの距離のことでした。

Typewriter タイプライター体

Monospace の項を参照してください。

U

Unicode ユニコード

全世界で現在用いられているすべての文字、および、多くの歴史的文字を収容する目的で開発された文字セット(符号化文字集合)とその符号化方式。詳細は、「Unicode consortium」のサイト(英語版)を参照してください。

★ Underhang アンダーハング 下張り

グリフのベースラインよりも少しだけ下がっている部分。

Undershoot アンダーシュート

Overshoot の項を参照してください。

UniqueID 独自 ID 項目

PostScript フォント内の項目です。当初はフォントを一意に識別するための機能として用いられていましたが、Adobe 社が機能的に不十分だと判断し「XUID(拡張 Unique ID)」項目を追加しました。現在では、Adobe 社は両 ID とも不要だと結論しています。

非常によく似た項目として、TrueType フォントには「名前 name」テーブルがあります。

★ UPM ユニット数

★ 〔Unit Per eM の略〕 文字の大きさを示す単位。フォントをデザインする際に設定する正方形のエリア(仮想ボディ)を示す用語で、「エム・スクエア(em squere)」とも呼ばれています。

UseMyMetrics (指標の使用?)

TrueType フォントの基本概念のひとつで、複合グリフ(たとえば、アクセント付きの文字)の幅を、その構成要素の 1 つの幅(たとえば、アクセント付きの基本文字)の幅と同じにします。

V

Vertical Advance Width 縦書き用の送り幅

CJK(中国・日本・韓国)の文章はしばしば縦書きされる(横書きもされる)ので、CJK の各グリフには横書き用の送り幅に加えて縦書き用の送り幅が定められています。

W

Weight 太さ

フォントの「太さ」とは、グリフ(字形)の縦線がどれだけ厚い(濃い)かを示しています。フォントの太さは、従来は名前で呼ばれていましたが、最近では太さを数字で示すようになりました。

Name 和名(目安) Number
Thin 超極細 100
Extra-Light 極細  200
Light 細字   300
Normal 標準  400
Medium 中字  500
Demi-Bold 中太  600
Bold 太字  700
Heavy 特太  800
Black 極太  900
Nord      
Ultra      

White space 空白(ホワイト・スペース)

書体デザインの「空白」には、テキスト行間のスペース、文字間のスペース、単語のスペース、および文字内のスペースが含まれます。この用語は、広範で包括的です。

Width 文字幅

この用語の意味は少し曖昧です。あるときは「送り幅」(すなわちグリフの原点から次のグリフの原点までの長さ)を表し、またあるときには「字形の左端」(left side bearing)から「字形の右端」(right side bearing)までの幅の意味でも知られます。

X

★ X11 X ウィンドウ・システム

Unix系オペレーティングシステム(OS)などのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を構築するのに用いられるウィンドウ・システム〔X Window System version 11 の略〕。

X-height エックスハイト(小文字の高さ)

(「o」のように上端が丸くなっている文字や「l」のようにアセンダーがある文字ではなく、「x」「z」「v」のように上端が平らな文字の)小文字のベースラインから上の高さ。

▶ 関連事項: 「キャプハイト(Cap-height)」「アセンダー(Ascender)」「デセンダー(Descender)」「オーバーシュート(Overshoot)」「ベースライン(Baseline)」も参照のこと。

XUID (拡張 Unique ID)

PostScript フォント内の「拡張独自 ID」項目。現在では、旧仕様です。「Unique ID(独自 ID)」の項も参照してください。